「ミステリーズ・マスト・ゴー・オン」
たとえ死者の言葉が聞けても、謎は簡単には終わらない。
それが「ミステリーズ・マスト・ゴー・オン」
 完全版「ミステリーズ・マスト・ゴー・オン」
自分の“死”を受け止められない「霊体」を納得させるために奔走する「死の化身」
──そして、それに巻き込まれる「選ばれた者」たち。
ルールは3つ──。
1.「遺体」の火葬までに事件を解決しなければならない
2.「遺体」と「霊体」の両方を目にしてはならない
3.「霊体」に背中を向けさせてはならない
・「被害者側の証人」
・「零鑑捜査」
・「葬儀プラス1」
を1冊にまとめ、
・掌編「黒土という名前」
を新たに書き加えた「完全版」。 |  分冊版1「被害者側の証人」
演劇集団テアトローの俳優・白埜(しらの)三四郎は、とある理由から舞台に立てなくなって以来、黒づくめの不思議な男・黒土(くろど)との付き合いがはじまった。
自らを「死の化身」だという黒土は、彼に特殊な能力を与える。
死者が火葬されるまでの間、その「霊体」の姿を見て、話して、いっしょに行動することができる能力だった。
そんな彼に黒土が引き合わせた「霊体」は、かつては同じ劇団に所属していて、今はテレビで人気の女優・瀧川マヤ──そう、彼女は殺されてしまったのだ。
ところが、当の彼女は事件の真相を話そうとしない。おまけに生前の彼女には、死亡推定時刻には殺されたはずがない“アリバイ”があった。
彼女に対する過去の想いを抱えながら、「被害者側の証人」として、事件の真相に迫ろうとする三四郎。
果たして死者の“アリバイ”を崩すことができるのか? |
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 分冊版2「零鑑捜査」
警視庁刑事部捜査第一課の女性刑事・櫻田真純(ますみ)警部補は、警視庁随一の「死体発見率」を誇り、「霊感」で捜査すると揶揄されていた。
というのも、「死の化身」と名乗る黒づくめの不思議な男・黒土(くろど)が、毎度毎度、彼女を殺人現場の「遺体」に引き合わせるからだった。
とある公園で起きた集団自殺事件で、5人の死者のうちの1人が“自殺のルール”を外れていたことから、殺人事件の可能性が疑われる。
おまけに、死者の「霊体」の話が聞ける黒土は、「被害者側の証人」として、そのうちの1人には自殺した覚えがまったくないと伝えてくる。
古巣の所轄署強行犯捜査係に戻り、若手の刑事と捜査を開始した彼女の前に、予想外の容疑者が浮上してくる。
ところが、死者の「霊体」は、なぜかそれを否定して……。 |  分冊版3「葬儀プラス1」
東京・雑司が谷に店を構える女性占い師・月川かほりは、「死の化身」と名乗る黒づくめの不思議な男・黒土(くろど)と奇妙な因縁があった。
黒土は彼女に「遺体」が火葬されるまでの間、
その「霊体」の姿を見て、話して、いっしょに行動することができる能力を与え、殺害された1人の老婆の「霊体」に引き合わせた。
老婆は、自分を殺した容疑で逮捕された介護ヘルパーは犯人ではないと主張する。
その証明には、事件の一場面を目撃した男性の証言を覆さなければならない。
さらに彼女は、真相を暴くよりも、もっと大切なことを抱えているらしい。
かほりは、「被害者側の証人」として、警視庁刑事部捜査第一課の櫻田真純(ますみ)警部補や、演劇集団テアトローの俳優・白埜(しらの)三四郎とともに、事件解決に奔走することになる……。 |
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